優性遺伝が顕性遺伝と名前が変わったのと、馬鹿とハサミの話

2018/09/01 03:52
ちょいと前から、教科書に載っていた、優性遺伝・劣性遺伝という言葉が顕性遺伝と潜性遺伝という言葉に代わったそうな。
当然まだ日本語変換ソフトには登録されていないが、その名称変更はさもありなん、当然のことかと思う。
大変残念ながら、そして大変な失望を持ちながら、失礼な言い方をすると、あまり頭のよろしくないお方の対応をしなければならないのが世の常であるのだと改めて思った次第。

世の中の人々は、もちろん全員ではないにせよ、優性遺伝といえば人より優れた遺伝を受け継ぐ、劣性遺伝といえば人より劣った遺伝を受け継ぐと短直に考えてしまうのである。
もちろんトリビアが大好きな自分や、遺伝子や白衣のお仕事にあこがれて短期大学に入った家内はそんなことは考えない。
単にAA型もAO型も、A型と一くくりにされてしまうだけで、OO型である自分たちがO型となり、両親がAO型とBO型だということを把握するだけである。そこにA型やB型が優れた知能を持っているだとか、そんなことを考えたりなどまったくしない。

ところが、世の中はA型とB型との子供にはO型が生まれるはずがないであるとか、日本特有の現象として血液型を性格と結び付けてしまうのである。科学的に考えてナンセンスであることは自明であるのだが。（科学の定義が反証可能性なのか何なのかは傍題として）

話を大幅に変えると、最近非常に不快ながらも、テーマとしては面白いのでそのまま拝聴することとした番組があった。
昭和の芸能人と一流大学？を背負った平成生まれが基本的な質問を考えたことがあったかどうかを「コケにする」番組である。
社会的インフラが整った現状、当然考えたこともないような疑問疑問といえないものはそのまま魔法のごとくそのまま歴然と存在し、トイレに流した汚物はそのままどこかへ流れていくし、電車の動力源は何かも考えずに生きていくことだろう。


（脇にそれるが番組製作者自体もどうかと思うもので、電車の動力源は何かと質問されれば、電気では確かにあるが、JR保有の水力・火力発電所から電気が供給されていることを考えると、石油や水力もまったく間違いではない。クイズのようなまどろっこしい問題を出すとすれば、日本最大の売上高を誇る第一種鉄道事業者は現時点で東日本旅客鉄道ではなく、関西電力である。またガスが石油の油田からではないとする注釈にもちょっと疑問を投げかけたいところである。そもそもガスはどこから来るのか？という質問に対し、地下という答えを期待するのではなく、ガス田とこたえさせるのが本来であろうとも思う。）


閑話休題して、正答率の低かった平成生まれを見ると、さもありなんともおもう。下の下を見ればいわずもがなであり、驚くことにさらに下がいるのである。
自分は32歳。生まれたころからパソコンが家庭にあったデジタルネイティブ世代を大いに脅威に感じていたのではあるが、中３の親戚が大文字入力の際にまるで音ゲーのようにShiftとキーを完全同時押ししていた際には驚愕した。
これを逆説的に見れば、上の上を見れば言わずもがなであり、驚くことにさらに上がいるのである。
やはりデジタルネイティブ世代は厳然として存在し、その中で突出した人々は大学生にも満たない間にテレビ出演していたり、また誤った方向で言えば不正電磁記録で逮捕されていたりするのである。

もう、彼らからすれば、僕らは老害なのであろう。実際そう直接的にいわれたこともあった。（ネットではなく面と向かって）
それが実はうれしかった。自分が10代20代のころ大人に向かって言えなかったことが、もう言えるような世の中になってきたのだと、素直にうれしかった。
そんな中で、ぼくら30代のできることといえば、知りたいと思う人にはさらに知識を。何も考えない人々からは怨嗟を受けない範囲での気づかない搾取を。
いままでできるだけ多くの人に、何も知識のない人々にもできるだけの幸福を得てもらいたいと考えていた。そのためにはどうすればいいのかを相談したところ「私自身は自分の周りが幸せであればそれでいい。他人の幸福を願うほど聖人君子にはできていない」との回答を得た。

結局は自分は人間であり、六道輪廻を繰り返し、四苦八苦しながら生きているのである。ならば、「真理はわれらを自由にする」。聖書に起源を持ち国立国会図書館に掲げられた一文。わが座右の銘と以前からしてきた。真理を追い求めるもの、知りたいと思うものにはそれを授け、また自分も授けていただけるような人であるよう生き、知らず流れるままの人々は誰かが作った流れにそのまま翻弄されればよいのではないか。いずれにせよ、自分の容量を超えてしまうことは避けねばならない。自分は聖人君子ではなく、またそれを追い求めるべきでもなく、ただの人間なのだ。